特定技能制度では、フィリピンをはじめベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、スリランカなど、さまざまな国の人材が対象となっています。
では、なぜフィリピン人材が多くの日本企業に選ばれているのでしょうか?
今回は、他国籍人材との比較を通じて、フィリピン人材の強みや適性について整理します。
各国の基本的な比較表
項目 | フィリピン | ベトナム | インドネシア | ネパール |
---|---|---|---|---|
主要宗教 | カトリック | 仏教/無宗教 | イスラム教 | ヒンドゥー教 |
英語能力 | 高い | 中程度 | 高い | 低め |
親日感情 | 高い | 高い | 高い | 普通 |
日本語学習率 | 高い | 高い | 普通 | 普通 |
コミュ力 | 非常に高い | 普通 | 高め | おとなしい傾向 |
フィリピン人材の特徴と適性
1. 高い英語力+日本語学習意欲
英語が公用語のため、読み書き・会話ともに高い水準にあります。また、来日前に日本語学校でN4以上のレベルを取得してくる人が多く、学習への意欲も非常に高いです。
2. 柔軟な性格と高い順応性
フレンドリーで人懐っこい国民性から、日本人スタッフともすぐに打ち解けやすく、チームワークにも優れています。文化や風習への適応力も高い傾向にあります。
3. 宗教的制限が少ない
カトリックが多く、食事や習慣での制約が比較的少ないため、職場に馴染みやすいのが特長です。
ベトナム・インドネシア・ネパール人材との比較ポイント
ベトナム人材
- 技能実習制度時代からの採用実績が豊富
- 労働意欲が高く、職人気質の人も多い
- ただし、地域によってはブローカー問題や離職率の高さが懸念されるケースも
インドネシア人材
- イスラム文化に基づいた価値観を尊重する必要あり(例:礼拝、断食月)
- 礼儀正しく穏やかな人が多いが、コミュニケーションには工夫が必要
ネパール人材
- 日本への好意が強く、独学で日本語を学ぶ若者も増加中
- 生活支援が手薄だと孤立しやすい傾向があり、定着率には注意が必要
フィリピン人材の導入が向いている企業とは?
- 接客・介護など「人とのコミュニケーション」が重要な業種
- 多国籍チームでの柔軟な対応力が求められる現場
- 文化的配慮に時間を割く余裕が少ない中小企業
フィリピン人材は、即戦力としてだけでなく、「馴染みやすさ」と「育成しやすさ」に優れている点が、特定技能制度における大きなアドバンテージです。
おわりに:適性は「人種」より「相性」と「支援」で決まる
もちろん、どの国の人材にも素晴らしい点があります。最も大切なのは、企業側がどれだけ相手を理解し、支援体制を整えられるかです。
そのうえで、フィリピン人材は非常にバランスの取れた選択肢として、多くの企業で成果を上げています。
採用国選びに迷っている方は、まずフィリピン人材の導入から検討してみてはいかがでしょうか?