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特定技能フィリピン人材の労務管理のポイント – 労働基準法と特定技能制度

フィリピン人を特定技能制度で雇用する際、重要になるのが「適切な労務管理」です。

日本人と同等以上の待遇を求められるこの制度では、労働基準法や制度独自のルールを正しく理解し、安心・安全な就労環境を整備することが不可欠です。

本記事では、特定技能フィリピン人材を対象とした労務管理の実務ポイントを解説します。


1. 労働条件通知書・雇用契約書の作成

● 日本人と同等以上の待遇が基本

特定技能制度では「報酬は日本人と同等以上」という原則が定められています。以下の項目を明記した書面を交付しましょう:

  • 労働時間・休日・時間外労働
  • 給与(手当・残業代含む)
  • 社会保険の加入状況
  • 交通費支給や寮の提供の有無

※ 英訳付きの書面もあると安心です。


2. 勤怠管理・残業管理の徹底

● 違法残業は制度違反に直結

  • 所定労働時間は1日8時間、週40時間まで
  • 残業には36協定の締結が必要
  • 深夜勤務(22:00~5:00)は割増賃金

打刻の記録月次の労働時間集計を適切に行い、本人へのフィードバックを忘れずに。


3. 社会保険・労災保険の加入

● 外国人でも全員が対象

  • 健康保険・厚生年金(正社員同様)
  • 労災保険・雇用保険も対象

給与明細に保険料控除を記載し、本人にも分かる形で説明しましょう。


4. 安全衛生教育・ハラスメント対策

● 日本の労働安全法に準拠した教育

業種により危険作業がある場合は、定期的な安全衛生教育が必須です。

また、文化や言語の違いを理解し、職場内のいじめや孤立を防止するための仕組みを整備しましょう。

  • 通訳・多言語の相談窓口
  • ハラスメントポリシーの周知
  • 定期的な面談によるフォロー

5. 在留資格の更新・離職時の手続き

● 在留資格管理は企業の責任

  • 1年・6ヶ月などの有効期限前に更新が必要
  • 離職・退職が発生した場合は速やかに出入国在留管理庁へ届け出

離職後の支援(転職支援や生活支援)も登録支援機関と連携しながら対応しましょう。


労務管理における「3つの誤解」

❌ 外国人だから最低賃金以下で雇用できる → NG
❌ 技能実習と同じ感覚で対応すればよい → NG
❌ 登録支援機関に任せきりでよい → NG

特定技能は「労働契約の主体は企業」であることを常に意識しましょう。


おわりに:安心して働ける環境こそ、最良の定着支援

労務管理は“人を守るルール”であり、フィリピン人材との信頼関係を築く土台です。

制度に則った管理体制を整えることが、企業のリスク回避だけでなく、人材の定着と活躍につながる最も重要な要素となります。

具体的な労務管理サポートが必要な方は、HAYATE JAPANにご相談ください。